【企業向け】OfferBoxを使ってみた!~感想と効果的な使い方~
新しい採用手法として、今注目されているダイレクトリクルーティング。
今までのナビなどに掲載して応募を待つ「受け」の採用ではなく、欲しい人材を企業が自ら探してアプローチしていく「攻め」の採用手法です。
新卒採用でのその代表的なサービスがi-plugが運営するOfferBoxです。
採用業務アウトソーサーの視点から、実際にOfferBoxを使ってみてのその使い勝手や特徴、効果などを第三者目線で紹介してみたいと思います。
また、使ってみて気づいた効果的な使い方などもご紹介します。
ダイレクトリクルーティング導入検討の際の参考になれば嬉しいです!
(参考コラム)
目次[非表示]
- 1.OfferBoxってこんなサービス
- 1.1.オファー枠の考え方
- 1.2.学生情報
- 1.3.埋もれないための仕組み
- 1.4.料金設定
- 1.4.1.早期型プラン
- 1.4.2.成功報酬型プラン
- 1.4.3.早期型と成功報酬型どちらが良いのか?
- 2.企業情報を掲載してみた
- 3.学生を検索してみた
- 4.実際にスカウトしてみた!
- 5.大量のスカウトで埋もれないための工夫がいっぱい
- 6.学生はアプリでスカウト確認
- 7.『私を見て機能』と『検討する機能』
- 8.改善して欲しいところ
- 9.承認率は?実際に会えるの?
- 10.まとめ
OfferBoxってこんなサービス
株式会社i-plug が運営するオファー型採用サイトです。
OfferBoxに登録する豊富な学生データを検索して、会いたい学生に直接アプローチします。
登録学生は23万9,000人以上(2024卒)。就活生の3人に1人が利用しており、就活生の最も利用した就職ナビ・逆求人サイトとしてマイナビ、リクナビの巨大サイトに迫る5位。逆求人サービスでは5年連続№1のサービスです。(HR総研調査)
約16,000社の企業が利用する新卒ダイレクトリクルーティングの代表サービスと言えます。
オファー枠の考え方
利用企業には採用目標数に応じてオファー枠が設けられ、1枠で1名の学生にスカウトを送信できます。
通数ではなく枠という考え方がOfferBoxの特徴です。枠数なので使い捨てではなく枠が空けば繰り返し利用が可能です。
例えば120名の学生にスカウトを送信し、70名がオファーを辞退、50名がオファーを承認した場合、70枠がまた復活し、別の学生にスカウトができるようになります。
オファー承認後、学生が辞退もしくは選考不合格になった場合も枠が復活します。
また、スカウトから学生が無反応で1週間が経過するとオファー辞退とみなされ自動的に枠数が復活します。
つまり期間内であれば採用数が確保できるまで無限にスカウトが送信できます。
学生情報
学生情報は大学名学部学科など学校情報だけでなく、プロフィール画像、自分を象徴する画像、研究内容、研究内容詳細、自己PR、将来像、過去のエピソード、インターン・留学歴、志望業界や志望職種、資格やスキルが確認できます。
詳細に項目がありますので、きちんと入力されていれば履歴書やエントリーシートでは見えない学生の人となりがイメージできる内容です。
埋もれないための仕組み
上述のオファー枠は期間内であれば無限に送信できますが、枠数があるため送信数には制限がかかります。
また一括送信機能が無く、あえて1通1通送信しないといけない手間がかかる仕様になっています。
学生側も受けられるオファー枠数が6社~15社と制限があり、辞退しないままだとそれ以上のオーファーが来ない仕組みになっています。
このように、スカウト流通数に制限をかけ、就職ナビのDMのように1日何十通も到着して埋もれてしまうような事がおこらない工夫がされています
料金設定
OfferBoxには初期費用が発生する早期型プランと内定承諾時に料金が発生する成功報酬型プランがの2つのプラン設定があります。
早期型プラン
採用数(最低3名から)に応じて最初に利用料金が発生します。
申込み採用数以上を採用する場合は1名ごとに下記の成功報酬型の料金が発生します。
3年生になったばかりの4月からスカウトができるため、早期からの接触やインターンシップへの動員などが可能です。また大手就職ナビのような就職協定の縛りが無いため、解禁前の選考もできます。
・早期型3名プラン 75万円 早期オファー枠120
・早期型5名プラン 125万円 早期オファー枠200
・早期型10名プラン 250万円 早期オファー枠
成功報酬型プラン
初期費用などは発生せず、内定承諾時に1名につき38万円の料金が発生します。
採用活動が解禁され、活動が本格化する4年生になる直前の3月からスカウトができます。
内定承諾後の辞退の場合、料金は返金されます。
採用予定数ごとに40のスカウト枠が設定されます。
・3名内定承諾の場合 38万円×3=114万円 オファー枠120
内定承諾後辞退の場合、返金
早期型と成功報酬型どちらが良いのか?
優秀学生を採用するには早期から接触した方が絶対有利です。特に理系学生は活動が早く早期からのアプローチが欠かせません。
ただ採用できなくても料金が発生してしまいますし、同様に利用料として料金が発生する就職ナビや就職イベントに比べると、採用単価25万円は企業によっては割高に感じる会社もあるかと思います。
成功報酬型であれば内定承諾しないと料金は発生しないので効率的ですが、早期プランに比べると割高です。また3月以降のスカウトは全体的な学生の質などは早期に比べると見劣りしますし、すでに活動が本格化しているため競合企業も多く、内定承諾まで難しい可能性もあります。
優秀学生や理系学生を積極的に採用していくなら早期プラン。通常の採用活動の補完や内定辞退などによる欠員補充が目的なら成果報酬型がオススメです。
企業情報を掲載してみた
企業情報はいたって簡素。売り上げなどの基本情報しか掲載できません。動画やプレゼン資料などアップできますが、あくまでスカウトサイトなので学生に企業原稿を見てもらって応募してもらうという事を狙っていないのがわかります。
学生を検索してみた
基本的な検索
ログイン日時、性別、専攻、現住所エリア、志望勤務地、志望企業のタイプ(大手、中小、老舗、ベンチャー)と基本的な学生検索が可能です。
性別で検索できるのは、マイナビなど巨大サイトではできない機能なので企業によっては重宝しそうです。
さらに絞り込み検索
国公立や私立などの学校系統と院生、学部生検索などピンポイント検索ができますが、重要なのは志望業界、志望職種で検索できる機能。実際にスカウトしてみましたが、志望業種、志望職種がマッチしてるとスカウトの承諾率が全然違います。
その他、TOEICやフリーワード検索ができます。
OfferBoxに実装されている適性検査で検索できるのも、マッチングの精度が上がる検索だと感じました。
実際にスカウトしてみた!
スカウト文面はテンプレートで保存できますが、やはり効果を考えると学生の自己PRをしっかり読んで文面を作成する必要があります。
また、一括送信などの機能もありませんので、同じ文面だとしてもそれなりに手間がかかります。
これが、マイナビやリクナビのDMと違い、人事に気軽に大量送信できないようにあえてしておき、大量のスカウトで埋もれるのを防いでいるのがよくわかります。
なかなかに大変ですので、やはりダイレクトリクルーティング導入に当たって、一番の課題だと感じました。
大量のスカウトで埋もれないための工夫がいっぱい
ただ手間がかかるだけでなく、企業は1名採用につき40枠しかスカウトが送信できないようになっており、学生も6~15枠しかスカウトを受信できない仕組みになっており、スカウトの質を担保しています。
枠数は学生がオファーを辞退するとまた復活しますので、40枠使い切ったら終わりではありません。これもうまい設定だと思いました。
学生はアプリでスカウト確認
学生はオファーがあるとプッシュ通知でわかるようになっており、その後はLINEのようなメッセージアプリとしてオファー企業とやりとりできます。
『私を見て機能』と『検討する機能』
スカウト枠数は制限がありますが、学生はスカウトが無くても企業に「私を見て機能」でスカウトを依頼する事ができます。また企業も「検討する機能」で学生にスカウトまではしてないが興味はありますよ!っと伝える事が1クリックでできます。
こちらには枠数は無いので、ダイレクトリクルーティングサービスが苦手な大量アプローチができる仕組みになっています。
まずは「検討する」でアプローチして学生から「私を見て」で反応があった学生にオファーする事で効率的なスカウトが可能かもしれません。
改善して欲しいところ
確かに学生の登録数は多いのですが、意外とプロフィールをちゃんと書いていない学生も多いです。
そのためオファーしたくてもできない学生が多く、もったいなく感じました。
特に理系採用だと研究内容を知りたいところですが、全く記入していない学生も多くいるため研究内容まで絞り込んだオファーは難しいと感じました。
承認率は?実際に会えるの?
企業やターゲット、オファー文面、時期によって承認率は変わるので一概に言えませんが、私の印象だと承認はしっかりしてくれました。i-plugの公表だと大体10%~30%程度の承認率のようですが、実際にオファーしてみてもそれくらいの印象です。
マイナビなどの巨大サイトのDMは開封率が1%とかなので、比べるのも違うのですが、圧倒的な開封率、反応率となっています。
また、承認してくれた学生は思った以上に説明会、面接に参加してくる印象です。
これもマイナビなど巨大サイトのエントリーと比べるものではありませんが、圧倒的です。ただ、WEB面接、WEB説明会にはよく参加してくれるのですが、対面になると途端に厳しくなる印象です。これはコロナ禍でWEB説明会、WEB面接が一般化した影響なのか、OfferBoxの特徴なのかはわかりません。
まとめ
スカウトの手間が最大の課題です。これがクリアできないとダイレクトリクルーティングの導入は難しいですし、ここはOfferBoxの肝なのでどうしようも無いと思います。ただちゃんと手間をかける事ができるなら、十分手ごたえを感じる手法です。
デメリットとしては大量採用には向いていないように感じました。使えないという事ではありませんが、そもそもダイレクトリクルーティングの性格上、合わないイメージです。
採用総研ではスカウトの運用代行、オファー文面の提案などお手伝いいたします。
貴社に合ったダイレクトリクルーティングサービスと運用方法を提案いたします。