25卒採用市場と26卒採用市場の予測
ナビの効果が年々減少傾向となる中で、ダイレクトリクルーティングの急成長などナビ以外の採用ツールも充実してきました。25卒以降の新卒採用で、例年の新卒採用計画のままでいいのか、どのツールを使えばいいのか悩まれることも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「25卒採用市場からみた26卒採用市場の予測」について書かせていただきました!
目次[非表示]
- 1.25卒採用の振り返り
- 2.25卒採用で一体何が起こったのか
- 3.26卒採用の展望〈採用第1タームの終了は12月〉
- 3.1.オープンカンパニー対策・志望度醸成対策がより重要に
- 3.1.1.インターンシップ期間の活動(オープンカンパニー対策)
- 3.1.2.出会えた学生を離さないための工夫
- 3.1.3.母集団形成に向けた施策
- 4.まとめ
25卒採用の振り返り
25卒採用市場概況〈求人倍率は1.75倍〉
25卒の求人倍率は、1.75倍という結果となりました。24年卒採用時よりも少しですがポイントアップをしており、今後も学生の取り合いが激化していくことが予想されます。
その中でも、求人倍率を従業員規模別でみると、300人未満の中小企業の求人倍率は6.50倍と、21年卒時と比べると倍近くのポイントをマークしています。(参考:21年卒時3.40倍)
業種別では、建設業の求人倍率が9.35倍と、流通業の求人倍率が16.21倍となっております。流通業については、昨年と比べ5.00ポイント以上上昇するという形になっています。
ですので、特に従業員300人未満の中小企業、建設業、流通業の採用意欲が回復、増加傾向にあることが見て取れます。
25卒インターンシップ期間の振り返り〈インターン参加率は85.8%〉
25卒学生でインターンシップに参加経験がある学生は85.8%となりました。
参加時期としては、8月が24.5%と1番高く、3月1日時点での内定保有学生の91.5%の学生が8月までにインターンシップに参加していました。学生の動きが、年々早期化していることが分かるデータとなっているとともに、8月参加学生への企業対応のスピード感も早まっている事がよく分かります。
25卒3月1日広報解禁後の動向〈3月1日内定率は34.3%〉
25卒広報解禁後の3月1日時点での内定率は34.3%となっており、3月末には47.4%という結果になっています。さらに、4月時点で内定率としては64.3%と半数以上の学生が内定を保有しているという状態でした。
これまでの「3月1日=広報解禁」という認識からずれてきているということが、明確にそう言い切っていもいい状況になって生きています。
さらに、平均内定保有社数も昨年よりも高くでており、内定承諾率への影響も大きいところです。
25卒採用で一体何が起こったのか
考察①:インターンシップの意味合いの変化(オープンカンパニーの登場)
年々、インターンシップ期間での学生の行動量が増加しています。25年卒ではインターンシップ期間に8社以上のインターンシップ・仕事体験に参加した学生が33.7%と非常に大きな割合を占める形となりました。
また、24年卒以降インターンシップ参加時期としては、夏休みの8月、9月の次に12月が参加率としては高くなっていました。夏と秋冬選考と2クールに分けて採用活動を行う企業が増えています。
夏インターンシップ(8月・9月ごろ)で出会った学生と第2接触を図るタイミングが10月・11月になり、学生の動きとして10月・11月に新たな企業のインターンシップに参加しようという動きが鈍くなったのではないでしょうか。
そして、さらに25年卒より「オープンカンパニー」が登場したことにより、今までインターンシップや1day仕事体験を実施してこなかった企業の早期参画が学生の分散を加速させたのではないかと感じます。
考察②:学生の意思決定のプロセスの変化とチャネルの多様化
24卒学生は企業と接点を持つ際に、「比較検討」「確認」のフェーズがあり、慎重な行動を取る学生が増えています。就職活動においても、情報収集し検討を繰り返すという意思決定を行う傾向が強いです。
就職活動ツールも多様化しており、学生はツールの特徴に合わせて情報収集をしています。特定の企業はメガサイト、自分が知らない企業は逆求人サイトといったようにツールを使い分けて利用している学生が増えてきています。
さらに、クチコミチェックなど「安心」を得られる事が企業選択の1つ側面ともなっているようです。
26卒採用の展望〈採用第1タームの終了は12月〉
オープンカンパニーの発足・認知拡大により提唱されている採用スケジュールは下記の通りです。
4月~6月:企業検索・業界研究(企業検索・業界知識を深める)
6月~7月:企業研究(オープンカンパニーで企業を知る)
8月~9月:職種研究(インターンシップ・仕事体験で職種について理解を深める)
10月~2月:キャリア研究(OB訪問・先輩座談会でキャリアについて知る)
職場見学(会社見学・オフィス見学などで働き方・環境を知る)
3月~:情報解禁に伴い本格的な就活(選考)への参加
3月以前の採用活動はNGですが、8月の学生接触を経て選考に進める企業は多数となることが想定されます。学生の事を思うと推奨はできない事ではありますが、早いケースでは年内に内定出し・承諾期限などを提示する企業が出てきてもおかしくはないのではないかと思われます。
オープンカンパニー対策・志望度醸成対策がより重要に
インターンシップ期間の活動(オープンカンパニー対策)
「3月1日の広報解禁が採用活動スタート」という考えのままですと、採用成功に黄色信号になる恐れは十分にあると思います。26卒採用でインターンシップを実施する企業は、25卒採用時より増加しています。さらに最大手ナビサイトであるマイナビでは「オープンカンパニー」としての企業掲載が認められる形となります。そのため、インターンシップではなく、「早期説明会」のような立ち位置で早期参画する企業が激増することが予測されます。
対策としては、より学生にとってメリットの大きいコンテンツの拡充することです。
(例えば、インターンシップや仕事体験で検索軸としても差別かを図る など)
オープンカンパニーの方が企業にとって実施ハードルが低いことは明白です。
学生にとっての参加ハードルも低いという事は間違いないでしょう。
しかし、夏時期の学生は特に就職意欲が高く「有意義な時間を過ごしたい」という気持ちが強いです。さらに、マイナビでは検索項目で実施形態での絞り込みが可能になりますので、掲載社数の少ないところで勝負をする、ということも1つの手です。
出会えた学生を離さないための工夫
年々、ナビの効果が減少傾向にあります。また、エントリー数という概念がすでに形骸化しています。
接触学生数とその後の選考参加学生数にコミットし、内定までつなげる考え方の方が採用市場から見ても良い作戦になることでしょう。
近年、学生とのやり取りでLINEを活用する企業も増えてきております。
LINEの方がメールよりレスポンススピードが速いですし、メールを見る習慣があまりない学生に合わせたコミュニケーションツールを利用する価値は大いにあります。
夏から活動を開始する企業にとって早期の接触機会を創出できる反面、内定期間が長くなるという側面があるので、内定出しまでに志望度を上げ切る事(=内定出しが入社に直結)を狙った採用フローの構築が必要となります。
そのためには、約2ヶ月に1度学生との接触を図り「面談」や「先輩座談会」を実施することで学生の志望度を上げつつ、選考への引き上げ・内定後の承諾へ繋げる事がおススメです。
その場合、個別対応が採用活動における基本軸となりますのでマンパワーがものをいう世界になる事は否めません。そのため、ノンコア業務に関する業務代行を導入している企業様が近年増えてきています。
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母集団形成に向けた施策
25卒の母集団形成を踏まえ、各社テコ入れが予想されます。
採用活動時期を早めることも母集団形成の施策として有効ですが、「マス採用×逆求人採用」も有効な施策の一つです。近年ダイレクトリクルーティングは、一気に利用企業、利用学生が増えてきており、中にはダイレクトリクルーティングサイトだけで就職活動を終える学生も増えてきています。
ナビサイトだけでは採用目標人数に届かなくなってきた企業、ナビサイトではなかなか見つけてもらえない企業、採用ターゲットが集まらない企業などにはおすすめの手法になります。
さらに、クチコミチェックをする学生が非常に増えている背景からクチコミサイトを用いた採用手法もおススメです。現在、クチコミサイトとしては「ONE CAREER」の登録者数が激増傾向にあります。
これまでとは違ったベクトルの採用活動はいかがでしょうか。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。近年、新卒採用の難易度が上がってきております。
ぜひ、25卒採用の振り返りや、26卒採用の計画立案にお役立ていただければ幸いでございます。
変化の激しい新卒採用の市場ですが、採用に関するコラムをアップしてまいりますので、引き続き愛読いただけますと幸いでございます!