【2024年最新版】学生辞退の落とし穴!自社採用フローは大丈夫ですか?
コロナ禍になり、オンラインでの採用活動が普及した昨今。採用フロー設計について、よくこんなお悩みを耳にします。
・自社の採用フローは時代に適しているの?
・選考、内定辞退が増えたけど何が原因なの?
・選考フローのどの部分を対面/オンラインにすべき?
・学生の志望度はどうやって上げたら良い?
もし1つでも当てはまるのであれば、読んで損はありません!ぜひご一読ください。
▼この記事からわかること
①やってはいけない採用フロー設計
②対面/オンラインを導入すべき選考段階
③2024卒・2025卒に適した採用フローの在り方(考え方)
▼結論
“接触回数”が採用成功のカギを握る!
目次[非表示]
【その選考・内定辞退は本当にオンラインのせい!?】
今後もオンラインという手法は続くのか
説明会や選考にオンラインを導入してから、各フローごとの進捗率が悪くなった…そう感じることはありませんか?
「オンラインでの採用はいつまで続きますか?」という質問を数多くの企業様からいただくのですが、正直にお伝えすると”オンラインでの採用活動はなくなりません”。
移動時間も交通費もかからず、家から一歩も出ずにやり取りができるように進歩した今。技術が進んだのにわざわざ手間のかかるアナログ手法を好んで選ぶ学生は少ないと言えます。オンラインという手法は、すでに新しいものではなくスタンダードになっているという認識を持ちましょう。
オンラインはなぜやりづらいと感じるのか
オンラインがやりづらいと感じる理由は、「非言語手掛かり(上の図)」が減少しているのが理由です。例えば、私たちが普段何気なく行っている会話ですが、アイコンタクトで「話す」順番を察しています。
オンライン上だと発言のタイミングが重なり合ってしまう…こうした経験はありませんか?
これはオンライン上では構造的に目が合わないことが原因で、「アイコンタクトができない」→「発言が重なり合う」→「会話がしにくい」という流れで、コミュニケーションにストレスを感じる…というわけです。
★プチ情報 人は、非言語から約93%の情報を得ています。 どれだけ視覚的訴求が大事かということが分かりますね。 |
オンラインが普及して利便性が増した一方で、情報伝達の難しさから選考・内定辞退が増えたことは一要因としては間違いありません。しかし、こうした状況を打開する施策は確かに存在します。それを本記事ではひも解いていきます。
【学生の辞退傾向がみられた23卒フロー例のご紹介】
具体的にどういった採用フローに学生の辞退傾向がみられたのかを見ていきましょう。
上の図をご覧ください。自社の選考フローと同じだ!という箇所がいくつかあるのではないでしょうか。これのどこに問題があり、なぜよくないのかを順番に解説していきます。
ぜひ自社だったら…と照らし合わせながら進めてくださいね。
失敗箇所その① - ES(エントリーシート)
失敗箇所その①は「ES(エントリーシート)」。
▼起こった問題
提出率の低下
「あれ、思ったよりも提出されないな…」と思ったことはありませんか?
このタイミングでのESが低下してしまう理由は下記です。
・コロナ前のフローをそのままオンライン化してしまっている ・前からこのタイミングにやっているから…という理由で提出意図が明確でない ・ESの内容がずっと同じになっている |
この中で思い当たるものはございますか?それだと要注意です。
採用のオンライン化によって、採用の進め方・在り方が大きく変化しました。それに合わせてESも変化しなければ時代に適した状態にはなりません。
今回の例の場合、説明会(オンライン)参加後に提出依頼をしています。
このタイミングで「志望動機」を聞いてしまっていませんか…?
ただでさえオンラインでは情報が伝わりづらい、ということは学生側も企業理解が進んでいない状態ということ。そんな状況で志望動機を聞かれても答えられる学生がは少ないので、提出までのハードルがかなり上がってしまいます。もし志望動機について聞きたいのであれば、もう少し後のフローにES提出を組み込む等の工夫が必要です。
仮にこのタイミングでES提出をさせるのであれば、従来のものより内容を軽くするか、入力文字数のボリュームを落とす必要があります。ESの提出率を上げるために、Googleフォームなどを利用して提出してもらう企業も増えてきています。
*あわせて読みたい
失敗箇所その② - WEBテスト(適性検査)
▼起こった問題
受験率の低下
「一次選考まで進んでくれてるし、WEBテストも問題なく受けてくれるでしょ!」
そんな考えが頭の片隅にでもございませんか?
まずは、受験率が低下してしまった企業の「やっちゃったPOINT」についてです。
・このタイミングであれば受験してくれるという先入観 ・ES提出以降、学生の“見極め”へとシフトしすぎ ・なぜ適性検査を受検するのかを伝えられていない |
どれか1つでも当てはまりましたか?
まず、オンライン化により相互理解が進みにくい状況だと、一次選考の合格者とはいえ、学生の志望度がとても高い!わけではないことを認識しましょう。
また、ES提出後の選考がある程度進んだ状態にありますが、“学生を見極める”方向へと意識を傾けすぎるのはよくありません。確かにそうした場、タイミングであることは間違いないですが、逆に、企業側も学生から見極められてる立場にあります。
それを理解した上で、「見極め+学生志望度の醸成」の両方を行う意識が必要です。また、最後の「なぜ適性検査を受検するのかを伝えられていない」という部分。これは、近年の学生だけにとどまらず若手社員にもみられる下記特徴に起因します。
【特徴】「なぜこの仕事(課題)をしなければならないのか」という目的や理由が明確にならなければ、行動に移すまでに時間がかかる
就活に当てはめると、「自分(学生)がなぜ適性検査を受検しなければならないのか」と考えます。さらにかみ砕くと「ここで何が見極められるんだろう」という疑問が生まれ、それを解消できないと不安が生まれ、行動面で二の足を踏むようになってしまいます。
WEBテスト(適性検査)1つとっても企業によって見極めるポイントが違うと思います。
(職務適性?性格?など…)
本来であれば伝える必要がないと判断しがちな「目的・理由」について説明すると、提出率アップへと繋がる可能性があります。
失敗箇所その③ - 面接の実施形式(オンライン or 対面)
続いて面接の実施形式(オンライン or 対面)について。これはほとんどの企業様がお悩みなのではないでしょうか。
今回のフローの場合は、一次選考はオンライン、二次選考オンライン、最終選考は対面です。
▼起こった問題
・学生の志望度が上がらない
・進捗率の低下
ここでの「やっちゃったPOINT」は下記↓
・適切な実施形式が選択できていない ・どこで学生の志望度を上げるべきか認識できていない ・面接官の役割を正しく認識できていない |
※適切な実施形式の選択についてはまた後述いたします※
まずご注目いただきたいのが「面接官の役割を正しく認識できていない」です。
例えば「面接官の役割は?」と聞かれると何を思い浮かべますか?
「面接で学生を見極めること」こう考えた方は多いかもしれません。
ですがそれだと役割を限定化しすぎています。
実際は、
「学生の見極め」+「学生を口説いて志望度を上げる」です。
人事担当者様だと“面接の中でも志望度を上げなければならない”とご認識されていますが、実際の面接官は、人事担当者ではなく現場社員が対応する場合がほとんどです。
そうした現場社員の方々は新卒市場への理解が深い方ばかりではないので、面接を「学生を見極める場」としてしか捉えていないパターンが非常に多いです。
2つ目の「どこで学生の志望度を上げるべきか認識できていない」というのもここに連動します。
役割を「学生を見極める」にフォーカスしすぎた結果、学生の志望度を上げるのではなく、現状維持もしくは下げてしまう事象が多く発生してしまったからこそ、思うように学生が進捗していない問題が起りました。
少しきつい物言いになりますが、面接官としての条件(素養)を満たしていない方が多いのが現状で、そうした背景もあり、面接官の方に向けた研修の需要が高まってきています。
【現代に求められる採用フローの在り方とは】
ここまで、学生の辞退傾向がみられた23卒採用フローについてお伝えしてきました。
今からは、現代に求められる採用フローの在り方についてみていきます。
内定者フォロー・入社前フォローまで見越した設計
学生に内定を出した後、もしくはその直前から、
「内定者フォローは何しようかな」「入社までのフォローは○○をやろうかな」
なんてのんびり考えてしまっていませんか?
そのままだと“目標採用数の確保”は難しいかもしれません…!
内定者フォローの計画が曖昧だと、結局あまり実行に移せないままただ時が流れ、振り返ると、
・時間だけが流れ、学生がフォローできていない
・学生辞退が増加し、採用期間が長期化する
などの問題が発生します。
■計画のベストタイミング(内定者・入社前フォロー)
→ 次年度の採用計画を立てるタイミング
■決めるべき内容
→内定出し後、〇月に○○という内容で実施し、学生へのアナウンスは○○のタイミングで伝える!まで
全て具体的な数字と内容に落とし込むことが大切です。
ぜひ「採用フロー設計」に一部に内定者フォローも含まれているという認識を持ってください。
*あわせて読みたい
フロー毎に志望度を上げるという意識を持つ
まずご覧いただきたいのが、意外と勘違いされやすい選考フローの進捗に伴う学生志望度の上昇率です↓
よくある勘違いは「学生の志望度は選考フローが進むにつれて上がる」ということです。これは実際の流れと大きく異なることを覚えておきましょう。
実際の流れは下記↓
仮に説明会の時が今後の選考に進むかどうか迷っている志望度が50%のスタートだとすると、選考で接触しているタイミングは志望度が多少上昇するものの、それ以外は下がっていいます。
・各フローの間で志望度が下がっている理由
→学生へと自社アピールができていない期間。
また、学生は他企業も同時並行で見ているため、自社の印象が薄れ、目移りされやすい。
・一次選考以降のフローにタイミングで志望度が大きく上昇しない理由
→前述にもあった通り、面接官の役割の認識不足により志望度が上がりづらい。
もしくは、対応によっては志望度は上がらずに下がることもありえる。
では、このような状況にならないためにはどうすれば良いのか、解説していきます。
学生の志望度を(上げる/下げない)ための2つの視点
▼第一の視点 接触タイミングでどれだけ志望度を上げられるか
志望度を上げるための重要な要素は下記。
・選考フローのどのタイミングで対面、WEBを導入するか
・面接対応者=実際に学生が新入社員として入社した際、一緒に仕事をするか
そして下記をご覧ください。
① 学生への情報の伝えやすさ
→WEB:× 対面:〇
② 新入社員が入社した際、一緒に仕事をする人
→社長・役員:× 社長・役員以外の人:〇
③ 実際の職場の雰囲気や社風を伝えやすい
→社長・役員:× 社長・役員以外の人:〇
④ 一般的に行われる選考フロー別実施形式と対応者
→最終選考(社長・役員):対面 最終選考以外(役職者・一般社員):WEB
上記の情報を頭に入れた上で、自分が学生だったら…と想像しながら下記をご覧いただき、どちらの方が内定を承諾しよう、入社したい!と思いますか?
・企業A
最終面接(社長)のみ対面形式で行い、それ以外はWEB形式で選考を受けた。入社後一緒に働く社員とは対面で会ったことがなく、実際の職場の雰囲気もわからない。ただ、社長は良い人だった。
・企業B
一次選考や二次選考は対面形式で、入社後一緒に働く社員の方と直接話をした。入社後に自分がどんな人と一緒に働くのかわかった。社長は多忙なため最終選考はWEB形式だったが、良い人だった。
どっちの企業の方が安心しますか?ほとんどの方が「企業B」だと答えると思います。つまり、これまでの要素を総合的に考えると、入社後に一緒に働く可能性が高い社員が面接を担当する序盤の選考フローのタイミングで対面を導入することが得策だと言えます。
序盤でできる限り志望度を高めにいく戦法ですね。
▼第二の視点 志望度が下がる波をどれだけ穏やかにできるか
まずは、下記画像をご覧ください。
志望度を上げる視点プラスで持っておいた方が良いのが、赤丸部分の、学生と接触していない期間の志望度が下がる波をどれだけ緩やかにできるかという視点。
じゃあ、この波を緩やかにするためにはどうすればよいの?という話ですが、よく営業担当から言われたことありませんか?
「選考とは関係ない面談をやってください」って。
「いや何でこの面談やらないとだめなの?」って思われた方がいらっしゃったかもしれませんが、
答えはこの図です。学生の志望度が下がる波をできる限り緩やかにするために実施しなければならないコンテンツなのです。
接触回数(頻度)をできる限り多くする
現在の新卒採用市場は、「接触回数(頻度)」の重要性が著しく増してきています。
ただ選考フローを踏ませるだけでは、学生の志望度は上がりづらいし、下がりやすい。だからこそ、各フローの間のタイミングで“選考とは関係がない面談”などを入れて、接触回数を増やし、学生の不安を解消することで志望度の高さを担保する必要があります。
このフローの考え方が現代の新卒採用成功のカギとなり得ます。
【まとめ(現代に求められる採用フローの在り方とは)】
長々とお伝えしてきましたが、現代に求められる採用フローの在り方(理想)は下記です。
・序盤の選考で対面を実施
・各フローの間で面談や座談会、現場見学などを実施
上記がポイントです。
「いやいや。それは理想論語りすぎでしょう!笑」というご意見もごもっともだと思います。これをそのままご実施いただける企業数の方が少ないですが、この理想にどれだけ近づけることができるかが重要なのです。面談or座談会or現場見学などのコンテンツ内容については1社ごとによってできることが違いますので、よろしければぜひ弊社へとご相談ください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
*関連お役立ち資料はこちら
採用総研では採用フローの構築などお手伝いしております。お気軽にお問合せください。