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インターンシップ参加率から見る!市場の実態とは…?

はじめに

採用市場の早期化が課題視され、インターンシップ(1day仕事体験/オープンカンパニー) を開催しないと新卒採用ができないのでは?とお感じのご担当者様も多いのではないでしょうか?

当記事では、インターンシップの開催をご検討されている担当者様向けに、学生のインターンシップ参加率・参加時期から考えるインターンシップ市場のリアルな姿をお伝えできればと思います!

目次[非表示]

  1. 1.はじめに
  2. 2.インターンシップ市場の実態
    1. 2.1.本当に早期化しているのか?
    2. 2.2.なぜ10月に学生の行動が減少しているのか?
    3. 2.3.12月に学生が再び動き出す?
  3. 3.まとめ

インターンシップ市場の実態

本当に早期化しているのか?

大手各社の24年卒学生の2月時点での内定率調査〈*()内は昨年同時期〉では、学情21.9%(19.4%)、ディスコ23.8%(20.2%)、リクルート13.5%(9.9%)と、データとしてはばらつきが生じておりますが、昨年との比較をすると全社的に早期化している傾向が見られます。
*マイナビは同時期の内定率調査なし

学情『2024年卒 内々定率調査 2023年2月度』

ディスコ『2024年卒2月1日時点の就職活動調査』

リクルート『就職プロセス調査(2023年卒)「2022年2月1日時点 内定状況」』

実際に、学生がインターンシップに参加した時期と割合を見ていくと、24年卒での8月の参加率は72.9%となっており、7月の参加率は昨対比で考えると10%近く増えている様子がうかがえます。

マイナビ【プレ】インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)

これだけで『早期化の兆し』が見えることは間違いないのですが、今回はその先を見ていただいて10月・11月のインターンシップ(1day仕事体験)参加率が減少している点にも注目していただきたいです。

なぜ10月に学生の行動が減少しているのか?

まず、1つは夏休みが終了するということが上げられます。ですが、理由はそれのみにあらず実は企業の採用フローにも関係があるのです。

インターンシップで接触した学生を選考に誘導しようとする中で、学生との接触回数を増やそうという施策に出る企業様が多くなりました。というのも、夏シーズンからの接触となるとフォローアップ期間がかなり長期化するため、内定に繋げるための施策として。はたまた、市場のオンライン化に伴い、学生とのマッチング強化・魅力付けの施策として始まった『接触回数を増やすこと』が定番化しているのがインターンシップ市場の常識となりました。

*新卒採用の採用フローの組み立てについて詳しくは、こちらにもまとめておりますので、ご覧ください。

  学生辞退の落とし穴。自社の採用フローは大丈夫ですか? コロナ禍になり、オンラインでの採用活動が普及した昨今。 採用フロー設計について、よくこんなお悩みを耳にします。 ・自社の採用フローは時代に適しているの? ・選考、内定辞退が増えたけど何が原因なの? ・選考フローのどの部分を対面/オンラインにすべき? ・学生の志望度はどうやって上げたら良い? もし1つでも当てはまるのであれば、読んで損はありません! ぜひ一度ご一読ください。 株式会社採用総研

結果、10月・11月に学生との2次接触を図る企業が増え、学生の新規エントリーやインターンシップへの参加行動が8月や9月と比べると減少しています。夏休みが終わり、学生の新規エントリーが少なくなるため企業がこの時期を「2次接触期間」としたのか、企業がこの時期に「2次接触」を行うようになったため、学生の行動が減ったのか?という所はなかなか判断がし兼ねますが市場の実態としては間違いない大きな変化となっています。

12月に学生が再び動き出す?

先程のグラフでもう1点注目していただきたい点があります。

マイナビ【プレ】インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)

12月に学生の行動が再上昇しています。理由として、1つは学生が冬休みに入ることが挙げられると思いますが、本当にそれだけでしょうか?実際は、学生の就活に対する危機感の変化も大きいようです。

2024 年卒学⽣の職業意識とインターンシップに関する調査(2022.5)

危機感が弱まった結果、「夏から動き出さなくても大丈夫!」でも、「3月より前には動き出しておきたい」という学生層が増えているのも1つの原因となっているのではないでしょうか?

また、24年卒採用で大きく見られた企業の採用傾向の1つとしては、6~12月までの「夏採用クール」と12月~3月での「冬採用クール」にインターンシップ期間を2クール化するケースも増えてきております。ダイレクトリクルーティングツールなども使い、少人数のターゲット学生のみを早期的に採用網にかけ、採用ツールをナビサイトに限定しない手法なども広がっております。

  ダイレクトリクルーティング時代の幕開け 実は2015年以前から世の中に存在していた、ダイレクトリクルーティングという手法。 その当時は採用手法として取り入れていた企業は数える程。 しかし、新型コロナウイルス発生によって採用市場が劇的に変化し、これまでにない程脚光を浴びる存在となりました。 その普及率を調べるため行われた採用担当者向けアンケート調査では、下記のような結果が出ました。 株式会社採用総研

なので、学生が『12月に再び動き出している』のではなく、『12月から動き出す層がいる』ということと、企業の動きも2クール化によって『12月から再び動き出す企業が増えている』という認識が正しいかもしれません。よって、インターンシップ市場は単に『早期化』しているだけではなく、夏と冬に『2分化』しているということも1つの特徴となっています。

企業様にとっては、12月時期に接触をした学生は比較的フォローアップ期間も短く、内定に繋ぎやすいというのも『2分化』を引き起こした大きな要因かと思います。

実際、採用フローの1本化・今までの採用フローではこの売り手市場に対応しきれないケースが多発することが予測されます。この新卒市場の変化に対応するために採用手法の『多様化』への一手が新卒採用担当者様に求められています。

まとめ

採用市場は思ったより複雑化してしまっています。この市場をどうにか整えるために採用ルールの整理など経団連の動きもあります。ですが、早期化ばかりにつられて「とにかく、インターンシップを始める!」なんてことになってしまうと、かえって、学生へのアプローチがうまくいかず「内定率が下がった!」「インターンシップをやっても採用できないじゃないか」となってしまう可能性も少なくありません。

夏から始めることだけが正解ではありませんので、大事なのは、学生にどう思ってもらうか?そのために貴社で実施できることは何なのか?まずは見極めて採用に繋げる施策として考えていただくことが重要だと思います。

夏から始めるべきなのか、冬から始めるべきかについてはこちらの記事でもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

  25年卒採用向け!インターンシップの開催時期比較! 採用市場が「早期化・オンライン化・多様化・2分化…」と複雑になっていく昨今、今回はインターンシップ市場が2分化している背景にフォーカスして、夏インターン・冬インターンのメリットとデメリットについて記載したいと思います。 メリット・デメリットを見比べて、貴社に合ったインターンシップ開催時期を策定するヒントにしていただければと思います! 株式会社採用総研
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また、コンテンツの設計や採用フロー設計など当社でも承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。




営業企画部 坂口
営業企画部 坂口
2019年入社、営業企画部として某大手グループや中小企業など企業規模に関わらず、幅広い企業様の採用コンサルティングを実施。 特に、採用スキーム作成や採用スタートアップ支援に長けており、採用フローの作成や志望度醸成のための仕組みづくりが得意分野。 「今まで通りの採用傾向」よりも「これからの採用市場」を。 なおかつ、「カタチ」ではなく「考え方」の提供を心掛けて日々奮闘中。

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