新卒採用を始めようとお考えの経営者の方へ~知っていて欲しい考え方
さらなる企業の成長を目指し、新卒採用をお考えの経営者、採用ご当社の方に、新卒採用にとって大事な事は何なのか?新卒採用を成功するために必要な事についてお伝えします。
この記事ではテクニックや手法についてではなく、新卒採用に対して考え方や社内マネジメントについて考えたいと思います。
目次[非表示]
- 1.新卒採用は最重要課題~全社員で取り組むべきタスク~
- 2.なぜ新卒採用をするのか?~企業が新卒採用をする理由~
- 2.1.安定的な若手人材の供給
- 2.2.社風づくり
- 2.3.社内の活性化
- 3.採用担当者を人事に任せない~経営者が陣頭指揮を~
- 4.具体的な新卒採用計画の立案
- 4.1.どんな人物を採用するのか?
- 4.2.市場の採用スケジュールは?
- 4.3.告知方法は?
- 4.4.選考基準の明確化
- 4.5.まとめ
新卒採用は最重要課題~全社員で取り組むべきタスク~
中小企業の、特に初めて新卒採用をする中小企業にとって新卒採用は、経営の転換点であり、人材戦略のステップアップの大変重要な課題です。人事の採用担当者だけに任せるのではなく、全社員が新卒採用に関わる必要があります。
中途採用は何ができる人を採用するのか、なぜ採用するのか明確です。企業の成長・運営に必要な人材を採用するのが中途採用です。
しかし新卒採用はまだ社会人経験が無いので、何ができるのか不明確です。
面接や筆記試験などで自頭の良さや、人間性などある程度の能力は判断できるとしても、実際に仕事をしたことは無いので、あくまでできるポテンシャルで判断するしかありません。
中途採用と新卒採用はそもそもの目的が似ているようで違うのです。
そもそもなぜ新卒採用をしようと思ったのか?
そしてなぜ社員全員の協力が必要なのか?社内で情報共有が必要です。
特に中途採用しか経験していない社員は、なぜわざわざ手間暇と予算をかけて、未経験でまだ精神的にも幼い新卒を採用するのか理解できない社員もいます。
「うちもそろそろ新卒採用をしてみるか~」ではなく、経営陣もなぜ新卒採用をしようと思ったのか自問自答する必要があります。
なぜ新卒採用をするのか?~企業が新卒採用をする理由~
新卒採用をする理由は次の理由が一般的です。
新卒採用に全社員を巻き込んでいくためにも、目的の共有化は大事です。
安定的な若手人材の供給
日本全国の卒業を控えた大学生がいっせいに、同時期に就職活動をする新卒一括採用の習慣は世界でも特殊で日本と韓国しか無いそうです。
その是非はここでは述べませんが、約80万人の若手がいっせいに就職活動をするため、若手の採用には非常に効率的な市場ではあります。企業の成長にとって若手戦力の確保は絶対必要です。
中途採用だと、景気動向によって供給される人材が大きく変動するため、確保がとても不安定になります。
採用力は必要ですが、一定の戦力を定期的に確保するためには新卒採用は非常に魅力的な採用市場です。
これから少子化の影響から若手社員の採用は年々難しくなっていきます。
中途採用に頼りきっていると、必ず社員の高齢化が起こり、そうなってからではますます若手社員の採用は難しくなってしまいます。
できるだけ早く、安定的に若手人材を供給できる体制と、採用した若手を育てる教育体制を構築する事が、今後の経営戦略にとって重要な課題と言えます。
【若手研修についてはこちら】
社風づくり
ある程度社員が集まり、会社に組織性が生まれてくると、組織に風土や雰囲気が生まれます。
それが社風として定着し、それに共感する社員に帰属意識が生まれます。
帰属意識が無い会社は離職が多く、社員が定着しません。
中途採用の社員は前職の影響を強く受けているため、自社の社風づくりやコントロール、定着は難しいのですが、新卒採用の社員は初めての社会人生活となりますので、社風の影響を強く受け、そのまま定着していきます。
新卒採用はそうした社内の雰囲気づくりと社風、ひいては会社の文化や暗黙知などのコントロールにとても重要な役割を果たします。
社内の活性化
若い人の意見や考え方が会社を活性化させる、というのはもちろんですが、新卒採用が社内を活性化させるのはそれだけではありません。
新人には当たり前ですが社会人経験がありませんので教育が必要です。
教育しようと思うと、仕事や社内のルール、暗黙知を言語化しないといけません。
料理人などの職人と違い、何も伝えずとも、背中を見て技を盗めというような指導も成り立ちません。
今どき、料理人や職人でもちゃんと教えないと若い子は職場を去ってしまいます。
そうした言語化やマニュアル化が、社内業務の無駄を洗い出し、効率化や意義付けなどを促し、社内を活性化させるのです。
採用担当者を人事に任せない~経営者が陣頭指揮を~
全社員のタスクとして新卒採用を行うと言ってもプロジェクトの担当者は必要です。
そしてはじめて新卒採用をおこなう中小企業の採用担当者は、新卒採用は上記したように、社風づくりや社内の活性化に関わる業務なので、自社の社風を体現する、いかにも自社の社員らしい存在、社内業務に精通した人物がふさわしいです。
それは、多くの中小企業で社長、もしくはそれに準ずる経営幹部ではないでしょうか?
中小企業の初めての新卒採用は人事の採用担当者に任せてはいけません。
社長自らが陣頭指揮を執ってください。
・求める人物像の構築
・説明会
・面接
・内定出し
・内定者フォロー
これらの業務すべてを社長を中心に行って下さい。
どんな人材が自社に合っているか、どんな人材を採用したいのか社員の意見を聞きつつ、構築してください。
説明会にも参加し、学生に業務内容と自社のビジョンを語ってください。
面接には必ず参加して判断してください。
内定出しは社長から学生に伝えてください。
内定者フォローなど学生との懇親会に参加してください。
初めての新卒採用担当者は経営者が陣頭指揮を取る事が大事です。
具体的な新卒採用計画の立案
それでは具体的に新卒採用計画を立てていきましょう
何人、どの部署で採用するのか?
現場の声、教育体制、経営ビジョン、戦略からどの部署に何名採用するのか考えてください。
文系学生の採用と理系学生の採用は全然違います。
東京と地方都市の採用も全然違います。
経験を問わない新卒採用といえども、ある程度どの部署に配属するのかで計画やスケジュールが変わってきます。
どんな人物を採用するのか?
中途採用と違って仕事の経験はありませんので、人間性とポテンシャル、学生までのスペックで採用する事になります。絞り込むは難しいと思いますが、最低でも次の内容は絞り込んでください。
学歴は?文理は?
旧帝大学生の採用と私立学生の採用は全然違います。
また上位大学生ほど、自分と同ランクの出身大学の社員がいるのか気にします。
自社の社員の卒業大学と採用したい学校ランクのバランスを見ながら、ターゲット大学を想定してください。無いなら無いで問題ありません。
どんな性格、志向?
社風にも関わってきますが、自社で活躍している社員はどんな社員が多いですか?
逆に、今の社員にはいないけどこんな社員を採用したいとかありますか?
それはどんな学生生活を送ってきた学生である可能性が高いでしょうか?
社員に適性検査を受けてもらい、活躍している社員の傾向を見るコンピテンシーという考え方もあります。
また、どんな志向の学生が自社に合うでしょうか?独立志向?リーダータイプ?チームフォロワータイプ?
それらの分析と方向性を定めていきます。
市場の採用スケジュールは?
新卒採用は経団連、大学、政府、学生、企業、就職情報会社、と様々な思惑が絡まりあい、どんどん採用スケジュールが変わります。
暴走しないよう、一応のルールとして就職協定がありますが、経団連主導から政府主導になり、インターンシップが一般化と、社長、経営陣、現有社員の頃の採用スケジュールとは大きく変わっている可能性が高いです。
現在の一般的な採用スケジュールとトレンドを確認してください。
新聞報道だけでなく、採用コンサル、人材関連企業、就職情報会社など専門家の話を聞くことも必要です。
告知方法は?
学生に自社が募集している事を告知しないと当然学生からの応募はありません。
予算やターゲットに合わせて告知媒体や方法を検討しないといけません。
また、広告媒体やコミュニケーションツールもトレンドがあり、現有社員の方々の時代とは大きく変わっている可能性があります。
特に若者相手の活動ですので、最新の新卒採用のトレンドをキャッチしてください。
【参考になる記事】
選考基準の明確化
中途採用と違い、新卒採用は何を基準で判断するのか難しいです。
各面接官に任せてしまうと、個々人の勘と感覚、好き嫌いで判断してしまう事になります。
会社にとってどういう人物像を採用したいのか明確にしたうえで、面接で何を見て判断していくのか、統一した選考基準を策定してください。
【参考になる記事】
まとめ
新卒採用は中途採用と違い、事前準備と全体設計がとても重要になります。
しかし、新卒採用が定着し、継続的に若い社員を採用し定着させていくことができるかどうかが、
これからの少子化の時代、会社が生き残れるかどうか大事な事になると思われます。
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