自社の内定辞退率は高い?低い?平均辞退率から見る対策
内定を出した学生から辞退の連絡があると凹みますよね。
予算と手間をかけて、説明会や面接を複数回重ね、優秀で入社したら活躍してくれそうで、社風にも馴染めそう、絶対入社して欲しい!!
そう思って内定を出した学生に、辞退されたら、今までの苦労が水の泡になったような、大失恋をしたような、何とも言えない絶望感は採用担当者なら誰しも味わう感情です。
ただ、内定辞退は絶対起こってしまいますし100%防ぐ事はできません。
たまたまの相性や偶然だと諦めず、問題は辞退が想定される範囲の辞退なのか、自社の辞退は平均的な辞退率から対策を考えていく必要があります。
この記事では平均的な辞退率と、辞退対策についてお伝えします。
目次[非表示]
- 1.自社の内定辞退率は高い?
- 2.内定辞退率が平均より高い場合
- 2.1.自社の魅力が学生に伝わっているか
- 2.2.学生との接触回数は適切か
- 2.3.学生視点の選考フローになっているか
- 2.3.1.学生優先の選考スケジュールになっていますか?
- 2.3.2.面接を合格した理由を伝えていますか?
- 2.3.3.効率優先の採用フローになっていませんか?
- 2.4.採用ターゲットは適切か
- 3.まとめ
自社の内定辞退率は高い?
辞退率とは内定を出した学生を分母として辞退した学生の割合です。
企業によって、この数字は違いますが、平均的な辞退率は求める事ができます。
2024卒マイナビの調査では6月15日時点の内定率は76.4%、一人あたりの内定保有社数は2.4社でした。
当然、入社できる会社は1社しかないので、ここから平均的な内定辞退率を推定できます。
承諾1社/内定保有社数2.4社=平均歩留まり率41.7%‐100
平均辞退率 58.3%
自社の辞退率と比べてどうでしょうか?
辞退率60%、内定学生の半分以上が辞退していると考えると、ずいぶん高い印象がありますが、実は60%は平均的な辞退率です。
むしろ、60%の内定学生は辞退する事を想定して内定出しを行う必要があります。
内定辞退率が平均より高い場合
内定辞退率が平均より高い場合、採用手法や採用フローの根本的な見直しが必要です。
内定辞退が出てしまう大きな原因として、次の点を見直す必要があります。
・自社の魅力が学生に伝わっているか
・学生との接触回数は適切か
・学生視点の選考フローになっているか
・採用ターゲットは適切か
具体的に上記の項目を見ていきたいと思います。
自社の魅力が学生に伝わっているか
平均より辞退が出てしまっていると言う事は、自社の魅力がうまく学生に伝わっていない可能性があります。
説明会や面接の見直しが必要です。
説明会は自社の魅力を感じるようなものになっているでしょうか?
私たちが新卒採用の支援で説明会などを見学させていただくと、まるで株主総会のような自社の売上や沿革など数字や事実の羅列をしている説明会をされている会社があります。
これでは学生は退屈してしまいます。
ましてやコロナ禍以降、WEBでの説明会や面接が一般化しました。WEBでこんな説明会を見せられる学生が自社に入りたいと思う訳がありません。
WEBでどう自社を魅力的に見せるか、もう一度見直す必要があります。
学生との接触回数は適切か
内定辞退を防ぐには学生の志望度を高める必要があります。
上記しましたように説明会やHPなどツールの見直しはもちろん必要ですが、
辞退が多い会社は学生との接触回数が少ない場合が非常に多いです。
昔から言われている新卒採用のセオリーですが
接触回数×10%=歩留まり率
があります。
接触回数には説明会も含まれます。
学生から自社にアクションを起こして接触した回数だと考えてください。
合同説明会や学内セミナーなどで偶然接触したものは含まれません。
株式会社 マイナビが調査した「マイナビ2023年卒企業新卒内定状況調査」によると、一次選考から内々定までの平均面接回数は3.8回。多くの企業が3~4回の面接で内々定を出していることがわかります。
説明会と一次面接、二次面接、三次面接(最終面接)を行っている企業が平均的であり、平均的な企業の歩留まり率は、上記のセオリーに当てはめると4回の接触をしていますので
4回×10%=歩留まり率40%(辞退率60%)
と考え、上記しました平均的な辞退率と同じような数字となります。
自社の接触回数はどうでしょうか?
平均よりも少ないようであれば、面接回数を増やすなど検討してください。
もちろん、机上の空論ですので、接触回数を増やせが絶対に辞退が無くなるというものではありませんが、目安にはなると思います。
学生視点の選考フローになっているか
面接は学生を選ぶだけの面接になっていないでしょうか?
もちろん面接なので学生を選ぶ必要があるのですが、選ばれるという視点も大事です。
学生優先の選考スケジュールになっていますか?
面接官の都合を優先して、次回選考までの間を1ヶ月とか空けてしまっていませんか?
選考辞退や合格数を見ながら、選考から合否連絡が遅くなってしまっていませんか?
面接日程を効率よくこなそうとし、急な面接呼び込みや学生の都合を無視した案内になっていませんか?
学生も平気で辞退やキャンセルをするので、気持ちはわかりますが、採用活動において企業の都合は学生には関係ありません。
過度に迎合する必要はありませんが、これだけの売り手市場の中、企業の都合だけを押し付けるのは学生からすると非常に不親切に思えます。
特に最終面接など役員や社長も関わってくるため、社内の理解を得る必要もあります。
面接を合格した理由を伝えていますか?
学生からすると何を評価してもらって選考が進んでいるのか知りたいところです。
フィードバック面接や面接アドバイス、自己分析支援など取り入れてみてください。
それが難しいようなら、次回選考の案内をする際に
「〇〇が良かったので、次回の選考にご参加いただきたいと思いました」など一言添えるだけでもだいぶ印象が違います。
効率優先の採用フローになっていませんか?
エントリーシートが一般化した事で、説明会などファースト接触前にエントリーシートの提出を求める会社もあります。
接触人数をエントリーシートを記入してくれた志望度の高い学生や、書類でマッチングを図り効率的な採用ができるからだと思いますが、
これも企業の都合を優先しているだけで、新卒採用ではこれができるのは一部の人気企業だけです。エントリーシートを記入させるにしても、こちらから情報を提供してあげないと学生は記入できません。
記入してくれたとしても、自社の魅力付が不十分ですので、結局辞退につながってしまいます。
面接同様、説明会も学生が参加しやすい工夫を凝らし、しっかりと自社の魅力を伝えていかないといけません。
採用ターゲットは適切か
これは判断が難しいところではあるのですが、自社が採用できるターゲットと内定学生がマッチしていない可能性があります。
採用ハードルを下げたり、妥協につながる可能性があるので、安易に見直してはダメですが採用の難しいターゲットに固執していないかは見直す必要があると思います。
例えば、男性採用にこだわっていませんか?昨今女性の活用は平等の視点だけでなく、戦力という意味で重要です。
理系の採用にこだわっていませんか?IT職種や製造管理など理系が好ましいですが、文系でも活躍できないでしょうか?
上位大学にこだわっていませんか?上位大学に優秀学生がいる可能性はもちろん高いですが、いままでの採用実績にこだわらずとも優秀学生はいます。
などなど、過去の実績や思い込みにこだわらず、採用ターゲットを見直す事で辞退が大幅に改善する事もあります。
まとめ
内定辞退を0にするのは不可能で、辞退を前提にした内定出しが必要です。
辞退を見越した内定数が出せないのであれば、それは形成母集団が少ないので、辞退対策ではなく母集団形成を見直す必要があります。
今回は内定辞退が平均値60%を超えてしまっている企業向けですので、基本的な対策をご紹介しました。
60%以内の企業でも0にはできませんが、辞退率を低くする対策を常に考えないといけません。
参考記事
内定辞退対策についてお考えでしたら、一度採用総研にご相談ください。
貴社にあった対策をご提案いたします。